安全・安心なお産を支える私たちの仕事
勤医協札幌病院 広報誌vol.21(2019.1月発行)より
産婦人科・小児科・麻酔科が連携するチーム医療
産婦人科・小児科・麻酔科が連携するチーム医療
勤医協札幌病院では産婦人科医、小児科医、麻酔科医、助産師、看護師、ソーシャルワーカーなどが連携し、「自然分娩」「母乳育児」を中心とした安全・安心なお産を提供しています。
産婦人科・小児科・麻酔科が連携するチーム医療
産婦人科・小児科・麻酔科が連携するチーム医療
勤医協札幌病院では産婦人科医、小児科医、麻酔科医、助産師、看護師、ソーシャルワーカーなどが連携し、「自然分娩」「母乳育児」を中心とした安全・安心なお産を提供しています。
勤医協札幌病院が目指すお産
勤医協札幌病院が目指すお産
勤医協札幌病院が目指すお産
新しい命の誕生を助産師がサポートします
新しい命の誕生を助産師がサポートします
赤ちゃんの誕生を実感したくて自然分娩を選択しました!
陣痛が始まったので病院に電話を入れ、朝9時に入院。分娩室で夫と会話しながら過ごし、陣痛が強くなってからは、助産師さんがずっとそばで「痛いよね」「そう、そう、上手!上手!」と励ましてくれたので、無事に元気な男の赤ちゃんを授かることができました。
4時間前までお腹の中にいた赤ちゃんが、自分の腕の中にいる幸せを感じています。これからの子育てを頑張ります!
十分な観察とリスク対応で支える自然分娩
十分な観察とリスク対応で支える自然分娩
妊婦健診の後に助産師が食事や体重の管理などについて保健指導を行います。母体の健康状態や生活環境・社会背景にあるリスクを早めに把握・支援するケアによって、家族が新たな命の誕生を心から喜べるよう関わります。産前・出産・産後の各段階に寄り添いながら、安全で安心なお産ができるようにサポートしています。
産婦人科には19人の助産師がおり、外来と病棟の両方をローテーションで勤務しているため、母体と胎児の状態や変化などの情報は常に更新・共有し、母体の変化に応じた迅速な対応を可能にしています。
妊娠は病気ではないため、正常に経過する場合は、自然に陣痛が来るのを待って助産師が出産を介助する「自然分娩」を目指します。妊娠9カ月に入ったら、妊婦さんとご家族が希望するお産ができるようバースプランを一緒に考えます。妊娠が進む中で心配な兆候を認めたり、万一の緊急事態や予想外のトラブルが発生した場合は、産婦人科医・麻酔科医・小児科医が速やかに対応します。
助産師19人(2018年12月現在)
妊婦健診
元気な赤ちゃんが無事に生まれるようチームで関わります
妊婦健診
元気な赤ちゃんが無事に生まれるようチームで関わります
頻度や内容が異なり、母体や胎児の健康状態によって検査内容も変わります。
定期的・継続的に受けることでリスクの発見や適切な対処ができます。妊婦健康体操や母親教室での学びも、出産準備の一環です。
妊婦と胎児の状態を持続モニタリング
妊婦と胎児の状態を持続モニタリング
「赤ちゃんは無事に生まれてくるのが当たり前」と思われがちですが、正常に見える妊娠でも危険と隣り合わせのことがあります。そのリスクに適切に対処し、安全なお産へと導くのが、産婦人科医の役目です。
早い段階でリスクを把握するため、初診時に病歴や生活背景などを確認する問診票に記入いただいています。妊婦健診では、尿検査や血液検査、超音波検査、内診を行い、母体の状態、胎児の発育を確認します。
母体に合併症があったり、社会的・経済的な困難を抱えている場合は医師と助産師が、今後のリスク管理について話し合い、方向性を確認します。必要に応じて、内科や心療内科の専門医に治療を依頼したり、ソーシャルワーカーや区の保健師と共に「入院助産制度」の対象になるかどうかの検討も行います。
高いリスクが把握された場合には、母体・胎児集中治療室(MFICU)や新生児集中治療室(NICU)がある医療施設で必要な医療を受けることができるよう支援し、「安全で安心なお産」を提供しています。
家族と一緒にリラックスして迎える出産を大切にしています
家族と一緒にリラックスして迎える出産を大切にしています
家族と一緒にリラックスして迎える出産を大切にしています
家族と一緒にリラックスして迎える出産を大切にしています
陣痛が始まった妊婦さんは来院し、産婦人科医の診察を受けてから分娩室(LDR室)に入ります。分娩室は陣痛から産後5時間までを過ごす個室です。分娩の準備が整えられているので、移動する必要がなく、新しい命の誕生を家族と一緒に迎えることができます。
お産が進み始めたら、助産師がそばで楽な姿勢や呼吸の仕方をアドバイスし、安全なお産をサポートします。
3つの分娩室(LDR室)
3つの分娩室(LDR室)
LDRは陣痛(Labor)・分娩(Delivery)・回復(Recovery)の意味です
リビングルームのように家族もくつろいで過ごせる空間です
産後5時間後に母子同室の個室へ
産後5時間を分娩室で過ごした後は、同じ階にある母子同室の病室に移ります。4人部屋をリフォームした広い個室で、家族もくつろげるようにソファを置いています。
助産師が病室を訪問し、お母さん一人一人に合わせた育児支援を行っています。
新生児健診
誕生と同時に赤ちゃんの健康をサポートします
新生児健診
誕生と同時に赤ちゃんの健康をサポートします
誕生直後からの新生児ケアは重要です
誕生直後からの新生児ケアは重要です
誕生したばかりの命を守り、その成長を支えるのが小児科医の役目です。
緊急度の高い分娩になりそうだと産婦人科医が判断した場合は、小児科医にも連絡が入ります。すぐに手術室に駆けつけ、新生児蘇生が必要な場合は迅速に対応します。
正常な出産の場合は、誕生直後の新生児の身体チェックを助産師が行いますが、何か気がかりなことがあればすぐに小児科医に連絡が入ります。
誕生直後に異常がなくても、誕生後24時間以内には小児科医が新生児健診を行います。新生児の呼吸や心拍、反射が正常か、奇形はないかに加え、意識や意欲の状態を観察します。新生児健診は非常に重要で、異常の早期診断・早期治療に役立ちます。
1カ月健診では、赤ちゃんの体重は増えているか、体のバランス、四肢の動き、神経、聴力、視力などが発育しているかを診ています。
新生児ケア
お産をがんばったママへのご褒美に
お産をがんばったママへのご褒美に
お祝い膳
出産2日目にはお祝い膳が用意されています。
※洋食か和食を選べます
リフレクソロジー&アロマテラピー
専門のセラピストによるリフレクソロジー(反射療法)の施術を病棟内で受けることができます。
足の裏の反射区と呼ばれる特定部位を押すと、疲れの回復、むくみや便秘の解消、免疫力の強化などにつながるとされています。
ライトダウンされたお部屋には小鳥のさえずりや小川のせせらぎなどのBGMが流れ、リラックスできるアロマが香ります。30分の施術後はハーブティーで体を温めます。「産後の疲れやむくみがとれた」「授乳疲れの気分転換になった」「2度目のお産で、また受けられると楽しみにしていた」と喜ばれています。
産後訪問
産後訪問
産後のママに安心を届けます
退院してから1週間前後に入院中に関わりを持った助産師が、初産婦の自宅に伺う「産後訪問」は当院独自の取り組みです。赤ちゃんとお母さんの健康状態を診るだけでなく、初めての子育てに戸惑っていないか、家族の子育て援助はあるかなどを把握し、質問に答えたり、不安や問題の解決を一緒に考えたり、必要としている支援を実現できるように対応します。家族や生活環境に問題がある場合、地域の関係機関と連携し、継続支援へとつなげます。
私たち勤医協札幌病院の願いは、誰もが安心して暮らせる地域社会をつくることです。切れ目のない支援の先に家族の笑顔があることを知っています。
赤ちゃんの体重を量り、成長具合も確認します
経済的困難がある場合は入院助産制度が利用できます
経済的困難がある場合は入院助産制度が利用できます
勤医協札幌病院は、出産費用の公的助成が利用できる「入院助産制度」の指定を札幌市から受けており、経済的困難を抱えていても、安心してお産に臨むことができます。
入院助産制度とは
経済的な理由で、病院への出産費用が払えない人のための救済制度です。自治体が指定した助産施設(病院)で出産する場合、無料または小額の負担金で利用できます。
制度の対象者
シングルマザー、低所得世帯、生活が苦しい、夫が失業した、生活保護を受給している
申請の方法
給付を受けるには条件があります。病院職員に相談ください。
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※外国人の場合は外国人登録証、学生の場合は在学証明書もご持参ください |