副鼻腔炎ってどんな病気?③「副鼻腔炎」の手術について
副鼻腔炎について、耳鼻咽喉科医長 白取 謙一医師が4回にわたってお伝えします。
3回目は、副鼻腔炎の手術について説明します。
「副鼻腔炎」の手術について
「副鼻腔炎」の手術について
薬で治らない、大きな鼻たけ(ポリープ)がある場合などに手術をします。
20年ほど前までは上唇の裏側を切開し、上あごの一部を削って穴を開け、直接中をのぞいて炎症を起こした粘膜を切除する手術が主流でした。
しかしこの方法では、上唇や頬にしびれや痛みなどが残ることが多々あります。
また、炎症を起こした部分をすべて切除するため粘膜も十分再生せず、感染が再発するおそれもあるため、最近はあまりおこなわれなくなっています。
現在は、鼻の穴から内視鏡や器具を入れて、内部をモニターに映しながら手術する方法が主流です。
表面には傷はできず、上唇や頰のしびれや痛みも残りません。入院期間も短くすみます。
主に鼻腔と副鼻腔をつなぐ通路を広げ、副鼻腔の換気をよくすることに重点を置いた手術で、粘膜をより早く正常な状態に回復すると考えられています。
鼻たけや鼻中隔わん曲症で鼻の通りが悪いときは、鼻たけの切除や鼻中隔の矯正などもあわせておこないます。
ただし、手術後放置すると鼻の中に血のかたまりやかさぶたなどがたまり、細菌感染を起こしたり、粘膜同士が鼻の中で癒着して鼻づまりを起こしたりすることがあります。
手術後も鼻の処置やネブライザー(水や薬液を霧状にして吸入させる器具)、薬の内服などをおこない、しばらく治療を続けることがたいへん重要です。
(副鼻腔炎ってどんな病気?④へ つづく)
※「しんぶん赤旗」2019年1月23日付より(毎週水曜日に掲載されている3回目です)