副鼻腔炎ってどんな病気?①
副鼻腔炎について、耳鼻咽喉科医長 白取 謙一医師が4回にわたってお伝えします。
鼻は「鼻腔」と「副鼻腔」という2種類の空洞からなります。
鼻腔は顔のほぼ正面、中央にあります。副鼻腔は鼻腔を取り囲むようにあり、上顎洞(じょうがくどう)・篩骨洞(しこつどう)・前頭洞(ぜんとうどう)・蝶形骨洞(ちょうけういこつどう)から形成されます。
鼻腔と副鼻腔は細い通路でつながっており、副鼻腔に鼻汁や膿(うみ)がたまっても、粘膜上の細かい毛(線毛)が動いて鼻腔へと排出されます。
しかし、風邪や鼻炎などが続くと粘膜の炎症が副鼻腔にまでおよび、副鼻腔炎(ふくびくうえん)をおこす場合があります。粘膜が強く腫れたり鼻腔にある鼻たけ(ポリープ)などにより通路がふさがれ、副鼻腔にできた鼻汁や膿が排出されにくくなるのです。
できた膿そのものも粘膜や線毛の働きをさらに弱めるため、炎症がますます悪くなります。
古くからの名称として蓄膿症(ちくのうしょう)ともいわれますが、これは副鼻腔の中に膿がたまっていることを意味しています。
(副鼻腔炎ってどんな病気?②へ つづく)
※この連載は「しんぶん赤旗」2019年1月9日付から4回にわたり、毎週水曜日に掲載されています。