チームで支える安全重視の手術治療:産婦人科
勤医協札幌病院 広報誌vol.18(2016.11月発行)より
患者さんの希望を重視し十分に相談しながら最も適した治療法を提案・提供
患者さんの希望を重視し十分に相談しながら最も適した治療法を提案・提供
お腹に傷が残らない手術に力を入れています
お腹に傷が残らない手術に力を入れています
多くの良性疾患での子宮全摘、および卵巣腫瘍摘出については、腟式手術が可能です。腟からの操作のみで手術が終わり、お腹には一切傷がつきません。痛みが軽い、回復が早い、という特徴があり、術後3~5日で退院可能です。特に卵巣腫瘍は良い適応で、手術を迷っている方には、ぜひ一度相談してほしいと考えています。
腟式以外にも、腹腔鏡手術、腹式手術、子宮鏡手術、悪性腫瘍手術に取り組んでおり、患者さんに最も適した術式を選択しています。
手術実績(2015年)
産科167件
婦人科合計115件
腟式付属器手術
14件
腟式子宮全摘術
11件
子宮脱手術
10件
腹式筋腫核出術
9件
腹式子宮全摘術
8件
腹式付属器手術
8件
腹腔鏡下付属器手術
8件
腹腔鏡下筋腫核出術
1件
腹腔鏡補助下子宮全摘術
1件
卵巣がん手術
2件
子宮体がん手術
2件
子宮頸部円錐切除術
14件
子宮鏡手術
5件
その他
22件
子宮脱(骨盤臓器脱)の優れた術式を導入
子宮脱(骨盤臓器脱)の優れた術式を導入
骨盤の底が緩んで子宮などが腟から出てくる子宮脱は、多くの女性が直面している問題です。ペッサリーリングなどで十分に治療できない場合、手術が必要です。当院では患者さん自身の組織を生かす「恥頸筋膜巻き出し法」で手術しています。腟の左右奥にある分厚くて弾力のある正常な筋膜組織を引き出して縫い合わせることで丈夫な骨盤底を再建します。根治性に優れ、自身の組織のみを使うため異物特有のトラブルもないことが特徴です。
婦人科の病気には、手術で劇的に症状が良くなるものがあります。つらい症状がある方は、ぜひ一度外来で相談してください。
産婦人科 医長
西岡 利泰(にしおか としやす)
●2006年 北海道大学医学部卒
●日本産科婦人科学会専門医
●日本内科学会認定医
●新生児蘇生法「専門」コース認定者
●女性のヘルスケアアドバイザー
●母体保護法指定医