沿革
勤医協札幌病院の歩み
勤医協札幌病院の歩み
勤医協札幌病院の前身、「白石診療所」は、1949年11月に札幌市白石区菊水(当時は白石町)に誕生しました。当時の菊水は、中小の鉄工所や鋳物工場が散在する労働者の街であり、周辺には個人経営の診療所が2つあるだけ、多くの住民は半日かけて札幌市立病院に通わなければならない医療事情にありました。
診療所の開設にあたっては、「診療所友の会」がつくられ、多くの地域住民の方々から物心両面の支援が寄せられました。診療所建設にむけて、当時10円、20円のカンパが寄せられ、顕微鏡やポータブルレントゲンなどの機器を購入したと記録にあります。私たちが法人の理念として掲げる「無差別・平等の医療実践」は名もなき多くの人々の力によってつくられた歴史から導き出されたものです。
多くの地域住民のご支援をいただく中、勤医協札幌病院は、1958年7月に増改築を経て「菊水病院」(30床)に、そして1964年1月には現所在地に移転新築し117床の入院機能を有する「勤医協札幌病院」となりました。
その後、高齢者医療への貢献を掲げ「在宅医療部」(2003年)、「回復期リハビリ病棟」(2004年)を開設しました。また2004年度からの新医師臨床研修制度の開始を受け、管理型の勤医協中央病院の協力病院として内科、小児科、産婦人科、眼科などの研修医の受け入れを行っています。
2006年2月には、日本医療機能評価機構よりVer4.0の認定を受け、2016年には3rdG:Ver.1.0の更新認定を受けています。
2006年より「無料・低額診療」制度を実施、2006年には行政の募集に対応して子育てサロン(未就学児をもつ親を対象とした交流の場)を開始、2007年度には、病気感染を理由に通常の保育園への通園ができない、病児を対象とする「病児保育」(病児デイサービス)をこども診療所と協力し、白石区ではじめて開設しました。産科における分娩環境の整備として、2008年度には「アロマセラピスト」を採用し、お産後の「癒し」としてサービスを開始しました。また外国人の妊婦さんの増加に対して、英語訳の入院案内の作成、医療英語通訳者の採用、手話通訳者も複数配置しています。
2013年1月にWHO(世界保健機構)が推奨している国際的病院ネットワークであるHPH(健康増進活動病院)に北海道で初めて認定病院となりました。病院内での医療講座や院外では地域の患者さんなどのお宅を借りて健康相談会を開催、産婦人科医師を中心とした中学校での性教育の啓もう活動や妊婦さん向けに実施している妊婦体操、禁煙外来、さらに通院中の高齢者の独居調査と訪問活動など地域の健康づくりにむけて様々な活動をしています。
勤医協札幌病院の沿革
勤医協札幌病院の沿革
1949年 | 白石診療所開設、半日診療を開始 |
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1958年 | 診療所を廃止、菊水病院(30床)開院 |
1961年 | 菊水病院の廃止、勤医協札幌病院(115床・3階建)開院 |
1964年 | 現在地に移転新築(117床) |
1980年 | 総合病院認可(202床)総合病院勤医協札幌病院に改称 |
1986年 | 専任手話通訳者を配置(民間病院として全国初) |
1995年 | 菊水こども診療所開設(9月18日) |
1996年 | 厚生省臨床研修指定病院(中央病院の従たる病院として申請認可‐小児科・産婦人科) |
1997年 | 札幌市委託事業として「菊水在宅介護支援センター」開設 患者医療費自己負担軽減のため総合病院返上 |
2003年 | 在宅医療部開設 |
2004年 | 回復期リハビリ病棟開設 厚生労働省臨床研修病院(中央病院の協力病院‐産婦人科、精神科、神経科) |
2006年 | 子育てサロン(未就学児をもつ親を対象とした交流の場)開始 |
2007年 | 病児保育(病院デイサービス)を開始(白石区初) |
2009年 | 英語通訳者を配置 |
2011年 | 回復期リハビリテーション病棟で365日リハビリ診療開始 |
2012年 | 在宅支援病院強化型開始 |
2013年 | WHOのHPH(健康増進活動病院)認定(北海道初) |
2016年 | 地域包括ケア病床開設 |